交通事故に遭ってから解決するまでの期間と流れ

2017/02/02

事故発生から示談が成立するまで,どのくらい時間がかかるの?

後遺障害の等級認定や,示談の交渉ってどうやるの?

弁護士に依頼することで,解決にかかる時間を短縮できる?

このページをご覧のあなたは、このようなことでお悩みではありませんか?

このページは,交通事故の解決までにかかる期間や流れについて解説しています。交通事故の被害に遭い,今後のことにご不安をお持ちの方はこちらのページをご覧ください。

事故発生から示談成立までの流れと期間

事故に遭ってしまい病院に通っていますが,治療費等の慰謝料が支払われるのはどれくらい先なんでしょうか?

示談の成立までは3段階のステップがあります。それぞれについて期間の目安を把握しておきましょう。

交通事故に遭ってしまったら,まずは入院や通院による治療を行います。その後,主治医から症状固定の診断を受け,一応の治療が終了します。そして,後遺症が残った場合,その部位や程度によって1級~14級の後遺障害等級が認定されます。

事故発生から症状固定までの期間

交通事故の賠償金額が確定するには,怪我の治療が一旦終了し症状固定に至る必要があります。症状固定とは,現在の症状が長期的にみて今後は良くも悪くもならない状態のことをいいます。その時点で,被害者にどのような後遺症が残っているかについて,主治医より後遺障害診断書※1を作成してもらうことになります。

交通事故から症状固定までの期間は治療期間そのものであるため,怪我の部位や程度,治療経過等に大きく影響されます。つまり,期間の目安となるものはないのです。

ただし,レントゲン画像等で骨や神経に異常がみられず,痛みや痺れ等の自覚症状だけを根拠に通院している場合には,相手保険会社から6か月程度で症状固定とするよう催促されるケースもあります。もちろん,最終的には怪我の客観的状況と医師の判断が尊重されます。

しかし,被害者本人が治療を継続したいという希望を持っていても,医師から症状固定と判断されてしまうと治療の継続はあきらめるしかないようです。

※1 後遺障害診断書については,どの病院で作成してもらうか,どのような内容を記載してもらうかについて,専門の弁護士によるアドバイスを受けるようにしましょう。

症状固定から後遺障害認定までの期間

これ以上治療を継続しても良くも悪くもならないという症状固定の状態に至ったが,その後も後遺症が残る場合には後遺障害の認定を受ける必要があります。後遺障害の等級認定は,どの等級が認定されるかによって補償額が2倍以上変化することも少なくありません。後遺症が残る事故において適正な補償を受けるためには,適正な等級認定を受けることが最も大切なのです。

後遺障害認定の申請準備には,2週間~1か月程度の期間がかかります。申請が受理されてから後遺障害の認定結果が出るまでは1か月~数カ月程度です。

後遺障害等級認定から示談成立までの期間

後遺障害の認定から示談成立までの期間は,保険会社との交渉状況に依存します。目安としては,最短で1か月,長期化して半年程度が目安となります。

半年ほど経過しても交渉がまとまらない場合は,被害者から裁判を起こすという流れになります。裁判での解決方法には大きく分けて2種類あります。裁判上の和解による解決の場合は,1審止まりの事案であれば半年~1年程度で解決します。一方,裁判上の和解もまとまらず判決まで進む場合は,1~2年程度が目安となります。このように,裁判に移行すると,解決までの期間が大幅に長期化することに留意してください。

ただし,あまりにも請求額と保険会社の提示額に開きがある場合には,早期解決のメリットを犠牲にしてでも裁判で慰謝料を請求したほうが良いこともある。

出典:http://www.xn--3kq2bv77bbkgiviey3dq1g.com/isyaryoukikan/#i-5

1審止まり2審以降
和解で解決半年~1年1~2年半
判決で解決1~2年1~2年半

※表で示した期間は,人身事故の裁判を想定した場合の目安にすぎません。個別の事案によって期間は大きく変動します。

後遺障害を申請してから認定されるまで

後遺障害はどんな方法で認定されるの?

申請の方法としては2種類あります。安易な判断で進めてしまわないように,あらかじめ弁護士に相談しておくことをおすすめします。

後遺障害の認定を申請する方法には,被害者が主体となって行う被害者請求と,相手の保険会社が主体となって行う事前認定の2種類があります。

被害者請求の場合

後遺症の認定を厳密に行いたい場合や,加害者が任意保険に未加入の場合,任意保険会社との示談交渉が決裂した場合などは,被害者が自ら自賠責保険会社に対する被害者請求を行うことになります。

被害者請求では,被害者が被害者請求に必要な資料や書類を準備して自賠責保険会社に送り,自賠責保険会社から損害保険料率機構に後遺障害の審査が依頼され,後遺障害の審査の結果を踏まえて自賠責保険会社から被害者に保険金が支払われるという流れになります。

事前認定の場合

任意保険会社との示談交渉が継続中の場合には,事前認定の方法により後遺障害が申請されることが多いです。

被害者請求では申請に必要な資料や書類を被害者が自力で用意しなければならないですが,事前認定ではほぼ全ての資料や書類を相手保険会社が用意します。

事前認定は,被害者が資料や書類を用意しなくて済むため被害者の負担は軽いですが,被害者が資料や書類が十分かどうかを確認することが難しいです。そのため,厳密に後遺障害の審査をしてもらいたい場合には被害者請求をするべきでしょう。

後遺障害の判断が微妙な事案では,事前認定の手続をとれる場合であっても,あえて被害者請求の手続を選択すべき場合が多い。後遺障害の申請を行う場合は,安易に自力で手続を進めようとせず,弁護士に相談した上で慎重に進めるべきだろう。

出典:http://www.xn--u9jt61koocn8bf7hnv9dr3h4wm.com/ninteinagare

任意保険会社あり任意保険会社なし
示談交渉拒否被害者請求被害者請求
示談交渉応諾事前認定※2被害者請求

※2任意保険会社との示談交渉継続中であっても,より有利な後遺障害等級を獲得するために,事前認定ではなく,被害者請求による後遺障害の申請を行うことがあります。

弁護士に依頼して解決にかかる期間を短縮

弁護士に依頼したら,早期解決できるのでしょうか?

できる限り早い段階で弁護士に交渉を依頼することは,早期解決につながります。

被害者本人だけで相手保険会社と交渉している限り,適正な賠償額が相手保険会社から提示されることはほとんどないでしょう。

適正な賠償を受けるには,できるだけ早期に弁護士に相談・依頼することが一番の近道なのです。

弁護士が示談交渉した場合

弁護士が交通事故の示談交渉を行う場合でも,知識や経験の豊富さ,相手保険会社の対応スピード,事案の複雑さ等に応じて示談交渉にかかる期間はさまざまです。

弁護士による示談交渉の期間の目安を正確に知りたい場合には,依頼する弁護士に直接相談してみるのが最も確実といえます。しかし,実際に交渉を始めてみなければ,解決までの期間の見通しが立たないこともあります。

過失割合に争いがあるとき

事故状況に関する証拠が乏しく,双方の主張も異なっている場合には,示談交渉が長期化する可能性が高いです。より深刻な場合には,示談交渉が決裂し,裁判をしてみないと解決しないこともあります。

事故によっては,示談で終わらせることにこだわらず裁判に移行した方が早期に解決できることもありますから,担当する弁護士と方針についてよく話し合うことが大切です。

損害額が問題となっているとき

事故態様や後遺症の内容には争いがなく,損害額だけが問題となっている場合には,相手保険会社との間の金額の調整だけになるため,示談交渉の期間はそれほど長期化しない傾向にあります。

受任から3か月以内には,示談金額の合意ができる場合が多いでしょう。その後,最終的な示談書の締結,示談金の振込みという手続きまで完了するのは,そこから更に1か月程度かかるイメージです。

示談を早める弁護士選びのポイント

示談にかかる期間を早められるかどうかは,依頼する弁護士によるスピード感によって変わってきます。交通事故を専門としている弁護士に依頼することで,ノウハウを生かして示談交渉をスピーディーに行うことができるでしょう。そのため,できれば交通事故に特化した専門の弁護士に依頼することをおすすめします。

連絡がつきやすいか,返事が早いか,まめに報告してくれるか,依頼した内容をすぐに実行してくれるかといった点が弁護士を選ぶポイントといえるでしょう。弁護士選びを誤ると,通常よりも示談成立までの期間が伸びるという事態になりかねません。

示談を早めるために被害者ができること

弁護士に依頼したとしても,被害者自身の協力なくして早期解決は望めません。示談交渉は弁護士と依頼者の共同作業です。このことを意識しておくだけで交渉もスムーズに進みます。

交通事故の示談交渉には,弁護士自身が入手できる書類のほかに,被害者自身でしか入手できない書類も多数あるのです。各種委任状,休業損害証明書,交通費の領収書等はその典型です。それらがなければ,弁護士が正確な損害額を計算することができず,適正な賠償を受けることも難しくなってしまいます。

弁護士からの書類の依頼に対して,一つ一つきっちりと対応することが,示談成立までの期間を短縮するための近道といえるのです。

実際に弁護士との面談相談を行ってみて,相談への対応内容や雰囲気から良い弁護士を見分けることになるだろう。

出典:http://www.xn--3kq2bv77bbkgiviey3dq1g.com/jidankikan/

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